越前和紙とはWhat’s Echizen washi

越前和紙の歴史

1500年の歴史を持つ越前和紙は、古くからすぐれた品質を誇っていました。
奈良時代には、戸籍や税を記入するための紙や写経用紙が数多く漉かれるようになりました。
平安時代には写経だけでなく和歌集の用紙としても需要が高まり、
武家社会になると公用紙として用いられます。
なかでも越前鳥の子はその質の高さから紙の王者といわれ、永久保存の必要がある高級の記録用紙とされました。
このようなすぐれた紙を生み出した専門的な手工業者たちは「紙座」を結成。 生産販売の独占権を持つとともに繁栄していきます。
紙座は江戸時代には朝廷・幕府・諸大名の御用紙屋となり、時には大名より丁重に扱われたとも言われます。
また、越前和紙は江戸時代の藩札、明治時代の太政官金札にも使われ、ここ今立はお札のふるさととも言われています。
その後、紙漉職人たちの伝統技術が近代工業に生かされ、
昭和16年から10年間、百円札紙幣や千円札紙幣などが漉かれました。
このため「局紙」という紙を作る技術が発展し、株券・証券用に広く用いられています。
近年では伝統技術を受け継ぎながらも、次代のニーズに合わせた紙づくりを行っています。

紙の神様

神体山である権現山の山頂に建立された岡太(おかもと)神社・大瀧神社には、今から1500年ほど前、継体天皇が越前におられた頃、村人に紙の漉き方を教えたとされる「川上御前」が紙の神様として祀られています。

福井藩札

日本最古の藩札が福井藩札です。 藩札とは、江戸時代に藩内で流通したお金のことです。また、明治新政府発行の「太政官札」の用紙が漉かれたのもこの地で、以来、日本紙幣と越前和紙は密接な関係となりました。

越前和紙の特徴

室内の湿度が高くなると水分を吸収し、乾燥すると発散させるので、結露やカビを防止します。
あわせてアンモニア等を吸収する脱臭効果もあります。

最近、問題になっているシックハウス病の原因となるホルマリンなどの、化学物質を吸収し、さらにダニやホコリも吸着します。
また、紫外線から肌を守り、目の疲れを和らげ、血圧も落ち着かせる等といった鎮静効果もあることが解ってきています。

材料が自然素材なので、焼却時の有毒ガスなどの発生がなく、土にもどります。

生活の中での和紙には「あたたかさ」「やさしさ」「やすらぎ」などの心地よさを感じることができます。

和紙には多くの利点がありますが、自然素材ゆえに、お手入れと優しい取扱いが必要です。

壁紙にも最適な越前和紙

天然素材で様々な効果をもたらす越前和紙を壁紙として利用される方が増えています。
その特徴と性質は、建築物の質を高めます。

和紙の種類

局紙(きょくし)

明治時代に越前の伝統技と西洋製紙技術が融合して生まれた紙。印刷適正と耐久性に優れているのが特徴で、証券用紙や卒業証書、ハガキ、名刺などその用途も多彩です。

襖紙(ふすまがみ)

美しい漉き模様で知られる鳥の子襖紙。昭和初期頃、盛んに作られました。漉き模様の種類は実に多彩でその漉き技はきわめて高度。現在も襖、壁紙などに使われています。

鳥の子紙(とりのこし)

鶏の卵のような滑らかな色合いから名付けられた和紙。その気品と風格は「紙の王者」として古人にも愛されてきました。現在も印刷用紙や内装インテリアなどに利用されています。

奉書紙(ほうしょし)

古くから最も多く漉かれた厚様の紙。そのふっくらとした紙質は、公家・武家の公用紙に、江戸時代には高級浮世絵版画用紙に重宝されました。現在では木版画用紙、諸礼式文書、懐紙などに使われています。

書画用紙(しょがようし)

絵画や書などいわゆる芸術作品を描くための紙。画家ひとりひとりのこまやかなニーズに応えるクオリティの高い紙でもあります。日本画・書道用紙・色紙短冊用紙などに使われています。

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